最後の壁を塗りながら考える。

こうやって、数ヶ月もの時間をかけて、ひとつの空間を自分で創る、ということをするのは、
もしかして最初で最後かもしれない。

森のなかの美術館をつくる、という夢、というか予定はあるので、
もっとおおきなものをいつか創るだろうけれど、でもそれは自分たちで創るかどうかは分からない。

建築家とか、大工さんにお願いするかもしれない。

このくらい小さな空間だからこそ、自分たちでも可能かな、と思えたのかもしれない。

そして何となく、はじめられたのだろう。

絵を描く時間を割いてまで、今こうして空間を創っていることの不思議。
こんなことをするなんて、自分でも予想もしなかった。

けれど、時には絵を描くのと同じくらい、楽しいのだ。

自分の作品たちを展示する空間を自分で創ること。
それは思ったよりも、作品創りに近しい。

というか、最後に近づくほど近しくなるように感じる。

細部というものが、どうしようもなく、私は好きなのだと思う。

壁をつくるのは、キャンバスを組み立てるようなものだ。
けれど細部は、描くことに近しい。

どんどん楽しく、そしてどんどん集中する。
難点なのは、集中すればするほど、やっぱり一人になりたくなってしまうことかもしれない。

たまに、まわりが全然見えなくなる。

最後の壁、空間を創ること_b0240382_15361388.jpg

by yukotakada-work | 2012-04-24 23:18 | Comments(0)

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